三木ブログ

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『恋×シンアイ彼女』感想 後編

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 ネタバレを含んだ感想記事になります。

 ネタバレが嫌な方はブラウザバックをお願い致します。

 

mikiwork.hatenablog.com

 

 後編のこの記事では、姫野星奏√についてをまとめていきます。

 

姫野星奏

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 小学生の頃、主人公が思いを寄せていた少女。

 星奏が転校する日に、ラブレターを渡すものの返事はもらえず、そのことをこれまでずっと引きずってきた主人公。

 物語の序盤で再開するのですが、その際に「私が戻ってきたのはね。もう一度、星の音を聞くためだよ」と言っており、抽象的な表現を多用する不思議っ子です。

 

 星奏√では、主人公は五年前から続く星奏への恋心を遂に自覚し(ようやく認め)、今度は手紙ではなく、言葉で告白をします。

 告白に対して星奏は、1日待ってほしいと答え、翌日、登校すると、下駄箱には星奏からの手紙が。

 

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 星奏は幼い頃から音楽が好きでした。

 人の輪に入れなくても、音楽の世界であれば決して寂しくはなく、一人の世界で生き続けていました。

 そんな中、手を差し伸べたのが、星奏と似たような感性を持つ主人公(小学生)でした。

 その頃から主人公の姿に憧れを抱いていたのですね。

 

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 星奏と付き合い、順調に仲を深めていく中、映研部の部長から文化祭用に映画を作るために協力をしてほしいと依頼されます。

 どうやら、とある小説を題材に映画を撮るようですが、その小説が偶然にも主人公が幼い頃に原作をつとめ、出版された小説でした。

 こうして、主人公は再び自分の書いた小説と向き合うことになるのでした。

 

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 映画の撮影も終わり、学園祭。

 彩音√同様に、グロリアスデイズは学園祭でライブを行うためにやってきます。

 世間に疎い主人公は仲間たちからグロリアスデイズのPV曲を聞かせてもらうのですが…その曲はどこか聞いた覚えがあるような気がするのです。

 グロリアスデイズの作曲をしていたのは星奏だったのです。

 

 更にグロリアスデイズのボーカルが食あたりになってしまい、バンドのメンバーは星奏に歌うように依頼します。

 そして、星奏は代役として舞台に立ち、歌うのでした。

 

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 この時に主人公は、返事のないラブレター、突然の転校、星の音を聞きに来たといって帰ってきたこと、これまでの星奏の行動がようやく一本の線に結び付きます。

 

 星奏は、主人公達とは違う世界の住人だったわけです。主人公に隠していたことに謝る星奏を見て、主人公はいつか彼女が自分の前から消えるのだと察するのでした。

 

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 その後、しばらく星奏は学校を休んだかと思うと、突然学校を退学してしまいます。

 星奏の家に向かう主人公ですが、そこはもうもぬけの殻となっていました。

 結局、またしても何も言わずに彼女は街を去ってしまいます。

 

 しかし主人公は、今度は筆を折るのではなく、小説を書くことを決心します。

 過去に繋がりがあった出版社の名刺を頼りに編集に電話を掛け、本を出版しようとおするわけですね。

 プロのクリエイターである星奏に追い付くため、同じ世界の住人になるためにも、主人公は筆をとったということでしょう。

 

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 子供の頃に書いた小説の続編を出すということで、発売イベントをすることになった主人公。

 購入してくれたお客様にサインをするというイベントで、野球帽で被った女の子がサインを求めます。

 始めは気づかなかった主人公ですが、サインを求めた女の子が星奏だと気づき追いかけます。

 主人公が名前を呼び、振り返る星奏。星奏は、微笑むとそのまま駅の向こうへと消え去ってしまうのでした。

 こうして姫野星奏√は終わり、話は終章へと続きます。

 

終章

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 時は過ぎ、主人公は母校の教師になっていました。

 (更にシステム的にいうと、主人公にボイスが付くようになります)

 小説家としての夢は、自分の才能に早々に見切りをつけてしまい、諦めてしまったようでした。

 

 そして再度、星奏と再会します。

 どうやら星奏は、今は作曲活動は休業しており、ぶらぶらと一人旅をしていた所のようでした。

 

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 高校時代に星奏が、町に戻ってきた理由―

 それは、かつての幼い頃持っていた感性を取り戻すためでした。

 主人公と付き合い、昔持っていた音楽プレイヤーを取り戻したことにより、感性を取り戻したため、主人公を捨て、元の世界に戻ったのだと主人公は思います。

 そして星奏もまた否定はしませんでした。

 

 主人公は、自分は音楽のために利用されたのだと言います。

 これはきっと当然の反応でしょう。事実、主人公は目的が達成されるとすぐに捨てられたのですから。

 

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 どうやらグロリアスデイズのバンドは解散し、失意の星奏は主人公に会いに町に戻ってきていたのでした。

 学生時代は、音楽を選んだ星奏でしたが、それでも辛くなると主人公に会いたくなってしまうのだと言います。

 音楽活動をやりきり、もうやり残したことはないと語る星奏は、もう一度主人公と共にいることを選ぶのでした。

 こうして二人の生活が始まります。

 

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 しかし、二人の幸せな日々は長くは続きませんでした。

 ある日、朝起きると一人分の朝食と手紙が置いてありました。

 そこには、もう二度とあなたの前には現れないと書かれていたのです。

 またしても、星奏は音楽を優先し、主人公の前から去ってしまうのでした。

 

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 精神的に不安定になってしまった主人公は教師を退職。

 そんな折、道で出会ったおばさんに、苦難を抱え苦しむ主人公に対して、思いを形にすることができる小説家という職業が向いているのではないかと勧めるのでした。

 しかし、主人公は何も誰かに想いを届けることができなかったと、おばさんの言葉を否定します。

 

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 自暴自棄な生活を送っていた主人公は、ある日雑誌社に勤める知り合いに話を通し、星奏を追いかけるために、ルポライターになることを決めます。

 それから三年が経ち、ようやく一人前として認められ始めた頃、ようやくグロリアスデイズの記事を書けるチャンスが巡ってきます。

 学生の時の仲間たちの協力の元、ようやく出版社からもゴーサインが出ますが、当の

グロリアスデイズの元メンバーからはインタビューを断られます。

 主人公が電話を掛け、その熱意を伝えることで、なんとか話を聞くことができるようになるのでした。

 

 元メンバーからは、その星奏の突出した才能、北海道でのバンド発足時の様子、バンド内での関係性、星奏が音楽を選んだ真意を聞く主人公。

 そして三年前、メンバーに事務所の負債を抱え込まされ、メンバーの一人が自殺未遂を図る事件が起きてしまいます。

 星奏はメンバーを守るためにも、主人公の下から離れたことを知るのでした。

 

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 インタビューが終わり、記事を書いた主人公。

 その記事は、グロリアスデイズの栄枯盛衰、芸能界の闇についてが書かれていたのです。

 

 しかし、一つだけあえて書かなかったことがありました。

 それが星奏のその後。

 負債を払うため、業界に残り続けた彼女は、曲をいくつか作り続け、そっと消えてしまったようでした。

 しかし、その曲はこれまでのような人の心を動かすようなものではありません。

 その後、星奏の消息は完全に途絶えてしまったのです。

 

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 記事が思いのほか、反響があったせいか、グロリアスデイズの事務所の圧力で出版社をクビにさせられてしまう主人公。

 しかし、主人公は俯くことはなく、もう一度筆をとります。

 星奏を想い、彼女に届く本を作りたい一心で、本を書き続けるわけです。

 

 そして春になりました。

 主人公の三冊目は世にでました。

 星奏に向けて書いた本は彼女に届いたのでしょうか。 

 

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 そして、疲れてしまい眠ってしまう主人公。

 最後にベンチの横に座る星奏が主人公の顔を覗き込むCGで幕を閉じるのでした。

 

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雑感

 いやはや受け取り方次第でここまで評価が分かれる作品ということなのでしょう。

 他の√も素晴らしかったですが、群を抜いて星奏√は良かったと思います。

 

 改めて振り返ってみると、別に主人公は音楽に寝取られたわけではありませんでしたね。

 星奏が消息を絶ったのにも、彼女なりの事情がありました。

 どの場面においても主人公の前から消えなければならない、重い事情がありました。

 

 学生時代はバンドメンバーからの圧力、社会人時代では借金返済が原因でと、仕方がなかったのです。

 抱え込む性格の星奏だからこそ、こういった選択を取らざるをえなかったのでしょう。

 あくまで星奏は、彼女の信念を最後まで貫き通し、純情もまた守り切ったのだと私は考えます。

 

 確かに本作のテーマから外れた星奏√ではありました。

 結局、ハッピーエンドなのか分からないし、何度も主人公を裏切る結果となっています。

 ただそれを上回るほど、お互いを想い合う気持ちはどの√よりも強く、そして一途なラブストーリーだったのではないかと思います。

 お互い不器用で、音楽や文章という形でしか、想いを届け合うことしかできませんでしたが、それがとても心に刺さりました。

 徹頭徹尾、主人公が星奏に対して本を書き続けるスタイルは、素晴らしかったと思います。

 

 クリエイターたる者、やはり何かを犠牲にしないと、生み出し続けなければいけない人種だということなのでしょうか。

 そんなクリエイターとしての苦しみみたいなものも、この作品を通じて感じ取ることができましたね。

 皮肉だと感じたのは、主人公が本を書ける衝動になったのは、どれも星奏を失ったことによるもの。

 お互いがお互いに影響し合い、ある意味で支え合っていたということなのでしょう。

 

 あと終章で、突然主人公がボイス付きになるのは、登場するキャラクターが少ない故なのかなと邪推ですが、そう考えてしまいました。

 終章ってあまり登場するネームドのキャラクターは少ないし、基本主人公の語りが多い都合上、主人公に声付けないと淡々と文を読むだけになっちゃうんですよね。

 だから、主人公に声を付けたのかなとか思ったり。

 あとあと、主人公もまた一人のキャラとして動かしたかった(プレイヤーとの分離)ということでもあったのでしょうね。

  

 いやあ、とても面白かった!

 最後までプレイしましたが、本作に対する私の評価は、これまでと同様…いやそれ以上に高まったと思います。

 クリエイターとしての苦難、犠牲や愛、一途に想う気持ち…等々、星奏√のテーマは重く深かったと思います。

 とても満足しました。素晴らしかった…

 果たして、主人公の三作目(ラブレター)は星奏は届いたのか。

 そして、目を開けるとそこには星奏は実在するのか。

 推測の域を出ないですが、私はこの2つの問題はYESだと思っています。

 (第二章の映画のオチこそが、彼らの結末を表しているのではないのかなと考えています)

 

 さて、新島夕氏による新作アインシュタインより愛を込めて』の発売は2020年10月30日。

 今のうちに体験版をプレイしておかないと…